第10章 風
まったく何も考えず
ただ、本能的に身体が動いていた。
子供達に目掛けて追突しそうになる屋根
カカシが次に異変に気づき、印を結ぼうとした頃には、私が印を結び終え、術を発動させていた。
「水遁・水陣柱の術!!!」
パァァァァァァァン!!!
バァン!!…ドッカーン……
シャァァァア………
巨大な水の柱を一気に作り、当たらないように壁を作り、屋根を誰もいない場所に落とした。
響めきと悲鳴が沸き起こる。
ザワザワ……
水の飛沫で少しだけ暑さが和らいだ。
さらにやぐらの補強をしようとしたが、
男性が木遁の術を発動させ、補強していたので、私は手を止めた。
「木遁…の術…!!??
なんてすごい…これが木ノ葉……」
木ノ葉隠れ里には、才能溢れた人間が大量にいるようだ…素晴らしい。
私なんか木ノ葉に来れば、全然力が無く埋もれてしまうんだな、と思っていたが、何故かこちらを忍達が注目している。
大した技でもない、私は意味が分からず、戸惑っていれば、木ノ葉の忍達の声を聞き、やっと理解できた。
「今の印のスピード…早すぎじゃない?見えなかった…。」
「誰?旅人なんでしょ?それにしては……」
「中忍レベルじゃないでしょ、これは…上忍レベル……え?誰よ?あれ……」
ザワザワザワ……
皆、こちらを疑い、怪しんで見ている。
レベルで、注目されているのではない。
印を結ぶスピードで目立ってしまった。
術を発動させるスピード力は、私が最も得意にして、負けた試しが一度もない。
出会った時のカカシにも同じ事を言われたなぁと、ボンヤリ考えていた。
ああ、だからカカシの態度が、あの後、急変するように変わったんだと、やっと気がついた。