第10章 風
太鼓が終盤になり、一気にボルテージが上がり音が最大になる。
ドドドドドドドドドドン!!!!
溜息が聞こえ、一瞬静寂に包まれる。
次の瞬間歓声が沸き起こり、割れんばかりの拍手喝さいがアカデミーのやぐら周りから響き渡った。
私もニコニコして拍手していれば、
カカシは安心したように、笑顔で皆に手を振っている。
「じゃあ、次は盆踊り、行きますよー。」
彼の陽気な声に合わせてリズミカルな音が聞こえ、カカシも太鼓をテンポよく打ち始める。
ドンドン、パンパン、ドン、パンパン……
「あ、あれだ!わーい!」
「ドンドンパンパンドンパンパン!」
子供達がギャハハ、と笑いながら踊り始めれば、大人達も身体が勝手に動きだす。
藍ノ里でも、懐かしい馴染みある盆踊りに、皆が笑いながら踊り始める。
私もつい顔が綻び、昔よく踊っていたなぁ、と見よう見まねで一緒に笑いながら踊っていた。
「お、、上手じゃないか。知ってるのか?」
右肩に乗るパックンが不思議そうに聞いてくる。
「これは有名だよー、耳に残る音楽だよね、懐かしいなー…」
よくばあちゃんと一緒に浴衣を着て、二人で手を繋ぎ、夏祭りに出かけ、元気よく踊った。
"「、ほれ、こうやるんやで、お!上手やんかー!」"
"「ばあちゃんオモロイなぁ!ドンドンパンパンやって、アハハ!」"
楽しいなーーと、私は昔を思い出しながら踊っていた。