第9章 アカデミー夏祭り
「お姉さん、笑ったらめちゃくちゃ可愛いー!美人ー!」
「うん、すごく可愛いー。」
女の子たちに褒められ、満更でもなく笑っていれば、気配を感じる。
その気配の方を身体ごと振り返れば、六代目が汗だくでドリンクを飲み、見下ろすように棒みたいに立っていた。
「何してるの?」
顔の汗を拭きながら、お目当てのうちわをスッと奪われ、鑑定するようにジロジロ作品を見られてしまい、そこまでの物ではない。じわじわ恥ずかしくなっていく。
「ふーん、あ、オレも描いてよ。」
あまりの突拍子も無い言葉に、呆気に取られる。
「え、ええ?カカシをーー?人は専門外なんだけどなー。…まぁ、じゃあ、座って。」
物は試しだ、と思いながら、パックンを私の右肩に設置して、ペンを持って、カカシを見つめる。
だけど、なんでか恥ずかしい。
ジーーーっと私の瞳を見られて流石に困ってしまう。
「…………………見ないでくれる?あんまり…照れるから。」
顔が一気に熱が集まっていくのが分かり、目の視線を私の頭の上にして欲しい、と指示を出し、ようやくバッチリ目が合うことはなくなった。