第9章 アカデミー夏祭り
この櫓(やぐら)何メートルあるだろうか、結構高い。その周りを小さな子供達がワラワラ集まり、熱い眼差しで見つめている。
私も近くで同じ視線で見学していれば、突然背中をツンツンと突かれ、振り返れば、小さな子供達が、数人いる。
「絵、上手?」
「このうちわに何か描いてよ。」
「お姉ちゃん、絵を描いて?皆で描いてるけど、まだまだいっぱいいるの。」
今、私に声をかけてきた女の子達と男の子達数名は、机で色ペンのマジックを使い、皆でうちわにイラストを描いているようだ。来場者に配るのだろうか、まだまだ大量の真っ白なうちわが積まれている。