第9章 アカデミー夏祭り
ジンワリ汗が背中を伝い流れていく。
ハッハッハ…… お隣のパグ犬さん、流石に忍犬でも、今日の三時の最高気温は耐えれないようだ。
「パックン大丈夫ー?」
「大丈夫だ、ワシは忍犬。これぐらい…」
「はい、冷たいタオル、クビに巻きなよ。」
「ぬお!なんだこれは?」
「濡らしたら冷んやりするんだよ。」
行く前に買い物してアカデミーに向かうが、まぁ暑い。バニラアイスを食べながら、首に冷んやりするタオルを巻いて歩く、一人と一匹…じゃなくて一頭。
忍犬は一頭と言うらしい。さっき怒られた。
パックンの大きさだと一匹だと思うが……。
すると突然突風が吹き荒れ、思わず目を瞑り身体と頭を横にした。パックンが飛んでいかないよう、抱っこして支える。
「う…わ、危な…!今の風…今日すごく強いね。たまに強いよ。パックンわたしの肩に乗りなよ。」
パックンをそのまま抱っこして肩に乗せる。意外とずっしり身が詰まったように重いが、なんでだろ、安心する。というかこの忍犬は乗り慣れている。
「カカシも朝言っとったな。あんまり強ければ中止にするとな。」
「だよね、もし、頭に何か当たったら大変だよ。」
心配しながら歩いていけば、アカデミーという大きな学校だろうか、建物が見えてきた。