第1章 藍ノ里
「頼んだぞ、後一人で行くことになるが、油断するなよ?逆にが殺される可能性があるからな。拷問もやられる可能性が大いにある。」
「ご、ごうもん……うわぁ……」
拷問という言葉に顔を顰める。私の実力からその時になれば逃げれるはずだが、薬を飲まされたりしたら無理だな、と考え、過程を思い描いた。
「んー、何て言って近付きましょうかね、記憶喪失とか下手やし、他の里の名前出したらバレた時ヤバイしーー……」
「惚れた腫れた言うたらえーねん、里外任務中で迷いこんだ言って近づけ。他は適当に記憶喪失にしとけ。」
またそんな意味分からない設定、誰が信じるんだ、このオッさんは…と目を細めて呆れて見ているが、気づかない。
「早速明日にでも出発しろ、わかったな?」
「御意!!」
お金の為と総長への同情だけで、
この任務を何も考えずに承諾した自分は
後ほど、大きく後悔する。
涙を流し苦悩する事態になる事を、
私はその時まったく気がつかないでいた。
はたけカカシという人間を丸っ切り知らず、簡単に引き受けたこの任務。
ずっと悔やみ続けるのは、もう少し後の話になる。