第7章 一楽
「あー、早く会いたいなぁ……」
ワザとらしく影分身さんに聞こえるように独り言を呟き、歩き出せば、遠くの気配も動きだす。
影分身でも良いんだけどなー、と頭の中でつい、思ってしまう。性欲がさらに膨れ上がっているのにすぐにハッと気がつき、ジワジワと顔が赤くなった。
宿に到着してドアを開け中に入った。
トイレに行き中身を確認し、ビリビリに細かく細かく破いて瞬時にトイレに流す。
ゼロの愚痴と文句と叱咤激励が書いてあった。とにかく頑張れ、ってなんやねん。ホンマアイツは……と、久しぶりの仲間に触れて笑顔が浮かんでいく。
ゼロも私と接触は"中々"難しいと分かっているようだ。息を吐きトイレから出た。
雪崩れ込むようにフカフカのベッドに入ったが、ベッドに倒れた事を瞬時に後悔する。
カカシの匂いが布団の中に溢れている。
彼の安心する心地よい香りがする。
彼とのセックスをより鮮明に思い出してしまう。
眠いはずなのに、何故か興奮してしまう。
頭に映像が何回もリピートしていく。
「あああ!もうーー!!」
布団をぐるぐる巻きにして、カカシに抱きつくように、抱き枕のようにギューっと抱きしめて、眠りについた。