第7章 一楽
疲れる、ホンマに…。気づかれないようにボロが出ないように、嫌われないように……。方言を出さないように自分じゃない自分を演じて、バレないように言葉に気をつけながら発言するのは、やっぱりしんどい、難しい。ずっと気をつけて話さないといけないのは拷問に近い。
あの"はたけカカシ"の前で私は今日、何回ミスをした?
何回、情け無い姿を見せていた?
泣いて縋るなんて…あり得ない。
何故牢屋で泣いた?わけわからん、自分が。
私は、素を彼の前で出し過ぎている。
もしかしたら、もうバレているのかも知れない。だからカカシは気持ちを抑えて釣れない様子を見せているのかもしれない。
それでも知らないフリをしてるんだから任務続行だ。やる以外、道は無いんだから。
まあ…とにかく、メモをゼロに渡せたから良かった。ゼロからも何かメモをもらった。
それだけで今日は私の逆転勝ちだ。
はたけカカシめ、後で悔しがれ。
お客として、さっきゼロがいて、当たったように見せかけ、一瞬で紙を渡して受け取った。
この連携プレーは絶対分からない、瞬間的だから、絶対見えない。敵に間近で見られても分からない。何年もゼロと仕事を組んでいるから出来る熟練した息の合う匠技だ。
ゼロは……ラーメン食べただろうか、あんな美味しい食べ物、藍ノ里にはないよね。木ノ葉隠れ里の人は日常的で、いつもの馴染みあるラーメンなんだけど、私たちは違うよね、ビックリしたよ。きっと、ゼロも感動してるよ、今頃。私はここの住民がとっても羨ましい。