第7章 一楽
「じゃあ、何にしましょう?」
テウチさんが元気良く聞いてくる。
「んー、オレは醤油ラーメンな気分なんで、それで。」
カカシは単品ラーメンのみらしい。
「さんは?」
アヤメさんが優しく可愛いく聞くが、私はメニューに釘付けだ。
「私は味噌ラーメン焼豚大盛り、半熟卵トッピングに、炒飯大盛、餃子単品で。」
メニューをギラギラ見つめながら、早口言葉を言うように、流暢に言えば、ポカンと全員こちらを見ていた。
「お、お前…それ全部食べるわけ?腹壊さない?」
「え?全然問題ないよ。まだいけるかもかもしれないから、とりあえずこれで。」
ドヤ顔で言うが、カカシは更にドン引きしているような顔をする。だけど関係ない。今、三大欲求の前の食欲の前では素直に従うしかない。
一楽のおじさんは嬉しそうに笑って了解!と言って作り始めた。
待っている間、カカシは私の方を向いて不憫そうに見つめていた。
「そんなに空いてたなら、言いなよ。あんな事してる場合じゃないでしょ。」
"あんな事"
それをしたのはアンタだ。誘ったのは私だ。まぁいいよ。懐柔の懐に入る為なんだから。だけど私はあんまり余裕なかったなぁ…。あんなに上手いなんて、どんだけ今まで女性を抱いてきたんだろう。多分私より多いんだろな。ヤキモチなんかターゲットにしてる場合じゃないのに……バカだなぁ私は。
溜息をついて目の前に置かれた水をゴクゴク飲みきった。すかさず、気がついて、カカシが水を足してくれる。やっぱり彼はスマートな人だ。
「カカシ、ありがとう、連れて来てくれて。絶対美味しいよね。楽しみだなぁ。」
ワクワクしながらテウチさんのプロ技を見つめて言えば、カカシの目線を感じて横を見れば、やっぱり見ていた。
「何?」
「いや、別に。」
「へんなの。あー、食べたい。待ち遠しい。」
胸を弾ませて待てば、待ちに待った味噌ラーメン焼豚大盛り半熟卵トッピング炒飯大盛り、餃子、そしてカカシの醤油ラーメンが飛び込んでくる。
割り箸をバシッと割り、熱々の味噌ラーメンをズルズル食べ始めた。予想を遥かに超える美味さに興奮していく。
「美味しいーーー!!何これーー!初めて食べたー!木ノ葉の人はこんな良いものを毎日食べれるなんて、最高ーー。」
キラキラしたように言えばテウチさんもびっくりしたように笑っていた。