第7章 一楽
一楽に到着し、暖簾を潜れば、おじさんと若い女性が待っていた。
「へい、らっしゃい!お、カカシ様じゃないですか、お久しぶりですね…ん?そちらの綺麗な女性は?」
「テウチさん、アヤメさん、久しぶりですねー。最近忙しくて、中々ねー…。今日もこれ食べたら仕事戻らないといけないんだよねー、ゆっくりした休みが欲しいよ。」
お、解放されるのか、イェイ!と思ったが、あの"はたけカカシ"だ。化かし合いはお手の物だ。多分影分身で様子を見ているはずだ、ゼロと接触は難しい…か。
どこかでこのメモを気付かれずに渡したい。こちらも"中々"難しい。だけど、あのゼロのことだ、絶対どこかで見ているはずだ。
「あ、この人は旅人さんで、さんって言います。たまたま砂の隠れ里で知り合った仲なんですよ、偶然にも。いやー運命を感じますねー。」
「あははー、六代目も漸く春が来ましたねー。」
笑い溢れる会話をしているが、カカシの表情が、わからない。笑ってるが何かしら含んだ笑いをしている。
私も完全に作った笑いをしている。これ程呪われた出会いをした奴がいるだろうか、じんわり汗が流れる。