第6章 旅人として
私は脱衣室に行き、胸の中に仕込んだ紙とペンを取り出し、ゼロに伝言を書き
新しい服のポケットに入れた。
どこかで会った時にこれを渡したい。
"いつでも逃げれる準備を。特に衣と食を頼む。怪しまれ危険大"
カカシは私の揚げ足を取るように先ほどから聞いてくる。
本当に、ずっと、ずっと……しんどくなってきた。嫌になる。
シャワーを浴びて、風呂に浸かる…こんな最高なことはない、生き返る。
幸せな気分のまま、脱衣所に行った。
服を着替えている時、総長の話を思い出した。
懐柔の懐に入れって言われていたのを思い出す。
「……っ、あ、」
"チャンス"
そう思って急いで新しい服を着て新しい下着を身につけ、タオルを頭に巻いて出る。カカシはなぜか正装着を脱いでベストも取っていた。
「なんかさっき聞こえたけど?気のせい?」
「タオル落としちゃって、声出しただけだよ、カカシ。」
ワザと近づくように、ベッドに座るカカシの隣に座りながら、目を細めニッコリ笑ってみる。
軽く彼の背中を触ってみたら、少し身体がビクッと反応する。