第6章 旅人として
「、頭濡れてるじゃない。乾かしなよ。」
「カカシが乾かして?タオルで拭いてよ。」
「何でオレがそんなことしないといけないわけ?勝手に自分で拭きなよ。」
「……はいはい。もういいよ。」
うーん…凄いな私の煽りを無反応な人は初めてだ。本当にびっくり、いつもはこんなんじゃないのに…、と仕方なく一人でゴシゴシ暫く拭いてると、何故か手が二つに増えた。
「、下手くそ。貸して、やってやるから。」
そう言って丁寧にしっかり大きな手で拭いてくれるカカシ。気持ち良くてウトウトしてしまい、目を閉じて感触を堪能した。
頭にかかる手が緩くなった瞬間、タオルがぱっと外され、髪の毛を触りながら乾いたか、確認している。何度も髪を櫛でとぐように触っている。
たった十秒ぐらいだけど、カカシの大きな優しい手が…凄く気持ち良くて、離れた時、離さないで、って言うように彼の方を見つめた。
ふと目が合って、カカシも私を見てくれている。黙りながらお互い顔を近づけ、始まりのキスをしていた。