第6章 旅人として
中の部屋は、綺麗で広い。あのボロボロで砂まみれの廃墟とは大違いだ。
「うわぁー!綺麗!凄いーー…ベッドフカフカそう…あーーーお風呂ー!入る!入る!あーー最高!」
身体をクルクルさせて喜びを爆発させていたら、カカシが笑っている。あーすみませんね、こんなダサくて…と自分を卑下した。
「仕方ないじゃない、五日ぶりのお風呂だし、ベッドだって、何日ぶりか忘れたし…」
「あ、そうなんだ。なーんで五日ぶりなの?丁度オレとやり合った日じゃない。これは怪しいな。」
「………ああ、あの後体調崩した寝込んでたから。やっと回復して万全になって、木ノ葉隠れ里に行けたのよ。だって、木ノ葉に菌とか運ぶ可能性があるし、止めておいたのよ。」
「えー、体調不良??その割には、あの時は元気そうだったけど?ふーーん。」
「ふ、本当よ?まあ信じられないと思うけどね。あ、私じゃあ、お風呂入るから、カカシはどうするの?待ってるの?」
脱衣所に歩きつつ、上の服を脱ぎながら向かう。何故なら一刻も早く泥を落としたいからだ。
六代目は、私の質問に少し悩むように黙っている。急に考えるように唸りながら声を出すカカシが少し変な人間に見えた。
「…とりあえず待ってる。」
「そう?じゃあ、お風呂入ってくるね。」
出した答えは、"待つ"を選択にしたらしい。