第4章 木ノ葉隠れ里 阿吽の門
「連れてけ!!」
手を後ろで縛られ、目は布で覆われ、何も見えない。鞄を没収されてしまった。
中身はお金とお泊まりセットとか大した物は入っていないが、お金は返して欲しい、結構な金額を入れてるのにだから、と荷物より現金の心配をしていた。
「うわぁ、女の癖に大胆なヤツだなぁ」
「見て見て、アレアレ…女のスパイだって、こわぁ…」
「流石木ノ葉の番人さん、凄いのぉ。」
歩くたびに声が聞こえてくる。大人しく捕まっている理由は、とりあえず木ノ葉隠れ里の中に入ってみたい好奇心からで、いつでも逃げれるのだから、今は従順に従う犯罪者を演じていた。
せっかく待ちに待った木ノ葉隠れ里。それなのに目に付けた布の所為で、残念ながら何も見えない。
だけど、声の人数やガヤガヤした雰囲気から、この町はとても活気溢れた元気な場所らしい。
美味しそうなラーメンの匂いがする。食べたい、ここ最近本当に暖かい食べ物を食べていない。あ、唐揚げの匂い、お茶の匂い、カレーの匂い、豚まんの匂い…ヨダレが止まらへん!食べたい、食べたいー、匂いで妄想の食事を堪能していくが、だんだん離れていき、ついには金属音が響くようになり、金属臭の匂いがし始めた。