第3章 出会い
ゼロと先ほどの所から数キロ離れた場所の砂漠を駆け抜けるように走り、辺りを厳重に警戒しながら進んで行く。今の所こちらには気がついてないようだ。
「……あ、影分身なくなった…。うげ、強っ…!何なのこの男、めちゃくちゃキモいねんけど!!あ、方言出てしまうわ、クソ野郎ーー!!腹立つーー!!次は勝つ!殺してやる!」
先ほどの影分身を、身代わりの陽動として置いてて良かった。隙が見つからず相当な手練れた忍だった。
あの一瞬の隙も、もしかしたらワザと見せたのかもしれない。
ドッコーーン!!ガラガラガラガラ……
腹立ち過ぎて興奮しながら岩を蹴り砕いた。
「人を虚仮(こけ)にしやがって、…あんの色男が!舐めクソやがって!!」
「おい、落ち着け!!見つかるぞ!」
「ゼロ、私は生まれてこの方ここまで人に虚仮にされたことは無いね。私の美貌に靡かない(なびかない)なんて信じられない!」
あの男は、先生とシカマルという若い男に呼ばれていた。師弟関係のようだったが、何か羽織ものをつけていて、それを取って走ってきたと言っていた。
砂避けのコートだろうか?わかんない…しかし、何か引っかかる。大事な見落しをしてるように感じる。
「悪い、アレ、木ノ葉の隠れ里の忍だった。」
「はーーー??アホか!名前までバラしてアホか!タイミング悪いねん、何で木ノ葉の隠れ里の忍にバラしとんねん!失敗やんけ!!」
「……面目無いです。ほんまごめん。」
あんなキスされてあんなカッコいいなんて、無理…無理、まだ感覚が残ってる。捕まえられた肩に感触がまだあって、涙が出そうだ。また触れて欲しいって感じている。
そんな自分がたまらなく気持ちが悪い!!!
「あーーーー!!くそーーー!殺してやる!絶対次は本気じゃボケーー!」
不意打ちをくらい、あんなキスをされて腰が抜けた事実を私は受け入れれず、ひたすらモノに当たっていた。