第1章 自責の念
こんな時に考えるのはケニーの事だった。
一人で生きていけるだけの強さを手に入れたはずなのに。
こんな、弱い自分は、捨てたはずなのに。
どうして。どこで間違ったのか。
地下街に産まれたのがそもそもの間違いだったのか。
掴まれた首が苦しくて歯を食いしばる。
自然と涙が溢れてきた。
「指の骨を折る。俺は容赦はしない。テメエが泣こうが喚こうがクソを垂れようがな」
「こ、ろせ…」
その言葉が気に入らないとばかりに、リヴァイは首元に寄せる刀身をそのまま胸元下まで切り開いた。
かすかにリヴァイの目の色が変わった。
縦に切り開かれた胸元にうっすらと血が滲む。
「お前…女か」
身体中に電流が走ったようだった。
胸の膨らみを誤魔化すために、普段からさらしをきつく巻いていたが、胸元を切られた拍子にほろほろと解かれている。
「っ… 」
「女は痛みには強いらしいな」
リヴァイは構いなしにアルバの胸を力任せに掴んだ。
やや小ぶりではあるものの、掴んだ指の間から隆起が丸く張っている。
「なにを…」
「これは持論だが、女に口を割らせるには快楽が一番効くと思う。お前はどうだ?」
背筋が凍る音を聞いた気がした。
なんだ
そういうことか
人類最強のこいつも、男なのか
アルバは呪った。