第1章 自責の念
「うるせぇな」
声の方向へ振り返り、アルバは銃口を向け撃ち込んだ。
「リヴァイッ!」
が、撃ち込んだだけであった。
今しがた、両足で立っていたはずであったのに、宙を舞い派手に転び、心臓のある場所を片足で踏み抑えられていた。
なにが起きたのか。
アルバには分からなかった。
「なんだてめえは」
人類最強の男はアルバの瞳に映らない速度で銃弾をかわし、足蹴りを入れ、そのまま抵抗もさせず、身動き一つもとらせなかった。
「おい 」
リヴァイは足を踏み込んで圧をかけてくる。
肺をぐっと潰されるような息苦しさが襲った。
「誰の差し金だ?」
リヴァイ相手に勝てる見込みはないも同然だったが、傷一つすらつけられなかった自身の無力さにほとほと呆れる。
もう死んでもいい。
アルバは無だった。
死を選んだ瞳は天井を真っ直ぐに見つめる。
対人立体機動装置は一発打ち込むごとに再装填が必要となる。
今のアルバは誰にとっても脅威ではなかった。
胸ぐらを掴まれて無理やり立たされる。
千切れたベルトのせいでアルバの立体起動装置は掴まれた途端に外れた。
壁際に押されながら、刀身を首元へ向けてくる。
アルバは答えた。
「…依頼主は答えない。殺せ」