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【R18】ドロップス【幸村精市】

第9章 番外編︰どっちが好み?※R18



 淡い色をした水色の上下セットの下着。控えめなフリルが施され、淡い黄色の小花が散りばめられている。

「これ、買いな」
「え?」

 可愛い下着だな、なんて思っていたら不意にそんな事を言われ、名前は本日何度目かの間抜けな声を上げた。
 そんな名前に、朋子は溜め息を吐いたあと、手にしていた下着を押し付けた。呆然とする名前を他所に、すたすたと店の奥へと行くとまた下着を吟味し始めた朋子。
 彼女の行動がいまいち読めず、しぱしぱと目を瞬かせたいたが、とりあえず押し付けられた下着を買うことにした。可愛かったので、気に入ったのだ。



 それから時間がたち、幸村との約束の日がやってきた。
 約束の時間まであとすこし。だがしかし、名前は未だ服も身につけず、キャミソールとパンツ姿で唸っていた。

「水色の、可愛いのと…水色の、セクシーなの…ど、どっち?」

 フローリングに並べられた二着の下着を、名前は顎に手を当て真剣に睨みつけ、考える。一着は自分で買ったもので、もう一着は朋子が名前にプレゼントしてきたものだ。これも、幸村が好きそうだから、と言って渡してきた。
 幼馴染というものは、下着の好みまで分かるのだろうか?と名前は首をかしげ、幼馴染である不二周助の下着の好みを思い浮かべたが全く分からなかった。
 
「…可愛いのと、セクシーなの…うーん」

 こうしてかれこれ一時間はたつ。約束の時間までほんの僅か。不意にスマートフォンが震えた。LINEの通知だ。慌ててそれを取り、見てみれば幸村からで"準備出来たかな?"とメッセージがきていた。

「だ、ダメだ早くしないと…えーと…あーもう!こっち!!」

 名前は半ばやけくそのように目をつぶり、適当に下着を掴み取った。目を開け、それを見てみれば、朋子が押し付けてきた可愛い方の下着だった。
 それを手にしたまま、キャミソールと下着を手早く脱ぎ、真新しいそれへと身につけた。
 全身鏡に映る自分が、少しだけ大人っぽく見えてなんだか照れくさくて、名前は手早く真っ白なノースリーブワンピースを身につけた。
 細身の腕時計をして、水色の鞄を肩にかけ、少しだけアレンジした髪の毛をそっと手で整えてから家を出た。

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