第7章 赤色ドロップ
クリームとフルーツたっぷりのフルーツケーキを目の前にーー名前、柳生、須野は顔を真っ青にし怯えた表情を浮かべ。
それも無理もない。鳥を丸々一匹焼いたチキン、サラダ、スープ、魚の煮付けーーなんてものは序の口で、特性ピザ、カレー、パン…等々…兎に角沢山の料理が名前達の腹を次から次へと襲った。
味はいいのだが兎に角量が多く、そのあまりの多さにキャパオーバーを超えた丸井以外の名前たちは顔を真っ青にし口に手を当てふるふると顔を振りながら薄らと涙を浮かべていた。
そんなこんなで、晩ご飯を食べ終えた一同は暗くなったからとはしゃぎながら花火をし、それを終えると怪談話で盛り上がった。
泣き叫ぶ名前と須野を面白がり、はしゃぎながらもっと怖い話をと身を乗り出した丸井を柳生が制し、怪談話はそこでお開きとなった。
その後男女に別れて風呂へとゆっくり入ったものの、須野は怪談話が頭にこびりついてしまったのか震えたままだった。
風呂から上がっても、階段話にすっかり怖がり離れない須野を首に巻き付かせながら、名前は丸井と柳生、そして須野の両親におやすみと一言言ってから寝室へと向かった。
真っ暗な部屋の電気をつけ、時計を見れば時刻は22時を過ぎていた。未だ張り付いたまま離れない須野をそのままに、ベッドに倒れれば、彼女は驚いたように名前の体から僅かに身を離した。
「びっくりした?ふふっ…ほら、真凛、もう寝よう?今日は沢山沢山遊んだから疲れちゃったし」
「…そうですわね。もう寝るんですの。名前、おやすみですの」
「うん、おやすみ」
二人は互いに就寝の挨拶を交わしたあと、欠伸をひとつこぼした。須野は電気を消すとそそくさと名前が待っているベッドに潜り込み、ぴったりと隙間なく抱きしめてきた。
「…真凛」
「ふぁ…なんですの?」
「今日は本当にありがとう。凄く楽しかったよ」
「ふふっ…それは良かったんですの」
「ここに来たおかげでね、私明日からまた頑張れそう。真凛や…皆のおかげで、私はまた新しい考えを持つことが出来たよ」