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【R18】ドロップス【幸村精市】

第7章 赤色ドロップ



「んで、そっちはどうだった?雷凄かったろい?」

 そう問うてきた丸井に、柳生は言葉を発す前に名前へと視線を流した。すると、相変わらず泣きじゃくっている須野の背中を叩きあやしていた名前とぱちりと視線が絡んだ。
 不意に、名前が空を指さした。オレンジ色の空をちらりと見たあと、彼女へと視線を戻せたいたずらっ子のような表情をした名前が、自身の口元に人差し指をあて笑って見せた。

「ふはっ…」

 それは、書類整理を手伝ったあの日ーー生徒会室でした動作と同じだった。
 思わず吹き出して笑った柳生に、訝しげな表情を浮かべた丸井であったが、そんな相手の視線など気にもせず柳生は名前と同じように口元に人差し指をあて、笑って見せた。
 あの日と同じように、へらりと笑う二人。
 そんな二人を、丸井は相変わらず訝しげな表情で見ていたが、少しの間のあと溜め息を吐きーーまぁ、二人になんにもなくて良かったぜ、と笑い三人纏めて抱きしめた。
 驚いた顔をする三人を笑いながらぎゅうぎゅうと抱きしめる丸井に、最初のうちこそ驚いていた三人も、彼につられるようにして笑いお互いを抱きしめあった。



 須野真凛の母親はスタイル抜群の外人だった。出るとこは出て、締めるとこは締まっている体。雪のような白い肌にほんのり赤色をさした頬、大きいが少しつり上がった目、金色の綺麗な髪。
 とても綺麗な須野の母親は、須野にとてもよく似ていた。一目彼女の母親を見た時、あ…真凛は母親似なんだ、と名前がすぐに分かったくらいだ。
 テンションがとても高く、見目麗しい須野の母親と感動屋な父親。須野真凛という女の子が、この二人の子供だと言う事が妙に納得出来る。
 そんな二人が手によりをかけて作ってくれた晩御飯はとても美味しく、丸井は目を輝かせどれもこれも美味しそうな表情を零しながらぺろりと平らげた。
 丸井の食べっぷりに、母親と父親は最初のうちこそ驚いていたが、その食べっぷりに痛く感動したのか…それとも嬉しかったのか、食後のデザートとして大きなホールケーキを焼いて皆の前に差し出した。

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