ロリコン王子(絶倫)をドMに覚醒させようとする悪役令嬢の話
第2章 ※幼女でも中身は大人2
「……普通ならば、私を婚約者になさる前に、先ずご自分の自己紹介からじゃなくて?」
「あぁ。そうですね…つい貴女のような愛らしい方を見つけてしまい、柄にもなく舞い上がってしまいました。自己紹介が遅れてしまい申し訳ございません…クリスティーナ嬢。私の名はレオンハルト・ロストフ・アステリアと申します」
いや、まぁ…ご存知ですけどね?それにしても良くそんな歯の浮くような台詞をスラスラ言えますな、流石は王子様。そう私の嫌味ったらしい口調もキラキラと眩しい笑顔で跳ね除けられてしまい、表情がひきつる。後ろに控えるのは攻略者の一人であるクールなドS騎士とメイド長のアンナである。
「アンナ、私は紅茶が飲みたいわ」
「畏まりました」
「ただ、レオンハルト様が作った紅茶を私はご所望なのだけれど…」
「えっ、私ですか?」
大人っぽい印象であった王子は、私の無茶振りに年相応のキョトンとした顔で見下ろして来た。可愛いな、おい。と思いつつ言葉を投げ掛ける。流石にやり過ぎだと普段なら表情の変えないアンナは顔が真っ青で目を泳がせていた。隣の騎士も私に鋭い視線を送って来る。しかし私は知っている。乙女ゲームの内容にヒロインの為に紅茶をいれるシーンがあると言う事をだ。その紅茶は絶品で、是非とも飲んで見たいと私は目を輝かせる。美味しい紅茶には罪はない。そうあざとく上目遣いで王子を見上げ、可愛らしく首を傾げる。大きな熊のぬいぐるみもオプションでつければ、最強の美幼女が完成した。
「んん゛っ!……可愛い、今すぐにでもお持ち帰りしたいっ」
「えっと…レオン、ハルト様?」
「勿論です、クリスティーナ嬢…私が愛情を込めて美味しい紅茶をお作り致しましょう」
「わぁ!嬉しいです!ありがとう、お兄様!あっ…申し訳ありません、つい…」
「ぐっ!かわっっ、ぃいえ、構いませんよ…?お兄様とお呼びしても…えぇ、寧ろそう呼んで下さる方がーー」
「あ、いえ…レオンハルト様とお呼び致しますね」
「そ、そう…ですか…」
良く分かった、この男…ロリコンである。絶倫体質でロリコンとか、救いようのないド変態に内心頭を抱える。だがしかし、残念だったな!私、クリスティーナはNO!と言える幼女なのだ。他はなんでも出来るからって幼女に気安く触れてはいけません。YESロリータNOタッチ誠心で行きましょう。