• テキストサイズ

ロリコン王子(絶倫)をドMに覚醒させようとする悪役令嬢の話

第6章 王子(仮)に攫われた先は、攻略者の一人でした6


+++

私は今王子にふかふかの大きなベッドへ押し倒されていた。なぜこうなった?いや、本当に…どうしてこうなった?ちょっと待って…分からない。逃げていていた。逃げて、走って…それで?捕まった?いつ?どこで?

「見付けましたよ、クリスティーナ嬢」
「レオン、ハルト様………違う」
「えっ?」
「貴方…誰、触らないで…いやだ、やだっ!」
「…なぜ、そんな事を?クリスティーナ、一体なにを…」
「止めて!クリスティーナって呼ぶな!気持ち悪い!」

王子(仮)は表情を引き攣らせた。なに、ここはどこ?真っ暗で何も見えない。ただベッドと王子がいる…でも王子じゃない。この男、誰よ!そう今直ぐ元の姿に戻れと睨む。すると表情が抜け落ちた。ゾクッと身体が震え硬直する。この男…ヤバい。私は直ぐに直感した。逃げないと、でもどこに?なにも見えない、近くにいる王子(仮)の姿は見えるが…ドアが見当たらない。

「身構えなくても、餓鬼には興味ねぇつーの。で?アンタはクリスティーナ・アメリア・アイリーン公爵令嬢で間違いねぇな…」
「誘拐ですか」
「へぇ…泣かないんだな」
「怖いですけど、泣きません」
「素直だな。まぁ…餓鬼にビービー泣かれると間違って殺しちまいそうになるからいい心がけだ」
「公爵家の資産が目的ですか」
「いや、そんなもんには傍から興味はない…殺したいくらいの相手がいる。お前はその餌だ、その相手が現れたらアンタは解放してやるし、他に恨まれるような面倒には巻き込まれたくはねぇから…殺しはしねぇよ」

王子の顔で不適切な笑みを浮かべる男、そんな姿が薄暗い中でも見れた。ワイルドな王子…ちょっと心が傾きかけたのは内緒である。そしてふと冷静になれて考える、そう言えばそんなキャラクターがいた気がする…暗殺者であり、大怪盗であり。狙った獲物は、どんな手を使っても逃がさない…そんな男の名前は。

「カンナ…」
「あ゛おいおい…お嬢ちゃん。今なんっつった?」
/ 37ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp