ロリコン王子(絶倫)をドMに覚醒させようとする悪役令嬢の話
第6章 王子(仮)に攫われた先は、攻略者の一人でした6
数週間経ったある日、王子から沢山の令嬢達に招待状を渡した。国王と王妃の結婚記念日であり、城でパーティーを行うらしく貴族の出なら誰でも参加出来るものらしい。一流の公爵家であり、あの王子から直々に寵愛を受ける私は勿論…皆とは違う特別な招待状を本人から手渡された。
「破り捨てても構いませんか?」
「予備に何枚もありますから、どうぞご自由に。」
私が破り捨てる事を見越してか、王子は目の前で何枚も招待状を取り出した。なんなら招待状を破り捨てられないように魔法をかけてあげようかと得意げに微笑まれる。それは魔法じゃなくて、執念の呪いでは?とゾワゾワ背筋が粟立つ私にずっと愛しい人を見る目で王子に見下ろされた。
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「公爵家。クリスティーナ・アメリア・アイリーンです。本日はお招き頂きまして誠にありがとうございます…そして、ご結婚記念日おめでとうございます。これからのお二人の益々のご健康とご多幸をお祈りいたしております」
城のダンスホールを少し抜けて、階段の上で王座に腰掛ける国王と王妃がいる。心臓が痛い、唇が震えたがぐっと我慢してにっこりと微笑み上記の事を伝えた。良かった…噛まずに挨拶が出来た。後は転けないようゆったりとした動作でドレスを持ち上げ頭を垂れる私に、金髪の爆乳美女が私をキラキラと目を輝かせて見ていた。なぜだろうか…王子の顔と重なって顔が引き攣りそうになる。レッドカーペットが引いてあり、階段の上から私を見下ろしていた王妃は我慢の限界だったのかドレスをふわりと優雅になびかせて私の元へやって来た。
「あぁクリスティーナ…本当に可愛らしくなって、会わないうちに大変大きくなられましたね?」
「王妃様…わっ!」