第1章 安土城での、とある夜の出来事
「うぅっ…!!!もぉっ!政宗!やめてっってば!」
政宗「その首がこうやってお前に近付いて…」
にやりと悪戯っぽく笑い、に上体を屈めながら顔を近付けてくる政宗に段々と怯えた表情になるーー
「うぅ~~…っこうなったら信長様、失礼しますっ!」
信長「は………?」
政宗「…おい,何でそっちなんだ」
家康「…当たり前でしょ。怖がらせた相手に誰が抱きつくって言うんですか?」
上体を屈めたまま、信長にしがみつくの姿を見て、明らかに不満な顔の政宗に対し、家康は呆れたというような口調で冷たく言い放つ
光秀「ほぉ、見掛けによらず、なかなか大胆なやつだな、お前は」
秀吉「!信長様に無礼な真似をするな!まだ怖いなら俺に…」
信長「良い、秀吉」
ニヤリと不敵な笑みを武将達に向け、の方へ手を伸ばした秀吉を制する
信長「して、。これは一体何の真似だ?」
潤んだ瞳でキッと政宗を睨みながらぎゅーっとしがみつくの耳元に唇を寄せ、そっと呟くと
一瞬その体はピクッと小さく跳ね上がる
「…あっあれ?うーんと…何でしょう?こうすればみんなを止めてくれると思ってやってみたのですが…」
信長「ふっ…成る程」
不敵な笑みを浮かべたまま信長はすっぽりとの小さな体を包み込む。
信長「貴様ら、もう下がれ」
政宗「あーぁ、ったく。こんな時間に叩き起こされたかと思えば邪魔物扱いかよ。じゃーな」
政宗は両手を後ろ頭に組むとひらひらと片手を振りながら自室へ戻っていく
光秀「では、俺達も戻るとしよう」
家康「…そうですね。あと少しで終わるけど薬の調合もまだ途中だったし」
光秀「俺が手伝ってやろうか、家康」
家康「全力でお断りします。あんたに手伝わせると変なものを混ぜ込み兼ねない」
そんな会話をしながら家康と光秀もそれぞれ自室へ戻っていく
秀吉「ほら、信長様の命だ。俺達も戻るぞ、三成。じゃあな、。しっかり休むんだぞ?」
三成「はい、では失礼します。御舘様、様」
信長「ああ」
「あ、うん…お休みなさい。起こしてごめんね」