第1章 安土城での、とある夜の出来事
少し申し訳なさそうな表情を浮かべるの頭をぽんぽんと優しく撫でる秀吉とニッコリ笑顔を向ける三成もまた、自室へと戻っていく
武将達がそれぞれの自室へ戻っていくのを確認するとほっと息をつく
しばらくの静寂が残された二人の周りを包み込む
信長「…あれ程暑いと騒いでいた割には離れんのだな、貴様は」
「へ?…あっっすみません!暑かったですよね!?」
慌ててその体を離そうとするが、直ぐにまたふわりと抱き留められてしまい、すっぽりと信長の固い胸に収まってしまう
信長「良い。今宵もまた、うだるような暑さだが不思議だ……貴様の肌の温度は心地よく思える。もっと寄越せ」
ニヤリと笑い、の顎を掬い上げ顔を覗き込むと、は キョトンとするが一気に首まで真っ赤に染める
「っ…お断りします!お休みなさい!!」
パタパタと自室へ戻っていくの後ろ姿に向かって
「廊下は走るな」
と、愉しそうな信長の笑い声が聞こえてくるのだった