第2章 ファーストコンタクト
ほぁら~?
私に気付いたカルピンが、リョーマ君の腕をすり抜けて
足に擦りよってきた。
ゴロゴロ喉も鳴らして
玄関に寝っ転がるカルピン
可愛くて撫でてあげると、
ほぁら~!
「へぇ、カルピンは余り他人に懐かないのに…絢那さん、やるじゃん」
「昔から動物には好かれるんだよね~。これちょっとした自慢ね!」
得意げにふふんっと鼻を鳴らすが
「ふーん。人間にも好かれるといいのに」
と生意気な答えが返ってきた。
「何ですってー!」
ぎゃあきゃあ騒いでいると
「おー、リョーマ。うるせーぞ!って、ん?隣の可愛いお嬢さんはお前のコレか?」
小指を立ててリョーマ君に見せると
「なっ…!違うって。住み込みで働きたいらしいから連れてきた」
「いやぁー…青春してるねー、少年」
バシバシリョーマ君の背中を叩く南次郎さん
「違うって言ってんだろ…」
親子の会話に圧倒されて自己紹介できず立ち尽くしていると
「お嬢さん、上がって居間で聞くからよ」
南次郎さんが気付いてくれて声をかけてくれた。
「あ、はい!お邪魔します。」