第2章 ファーストコンタクト
居間に行くと、リョーマ君のお母さんと、菜々子さんが座ってテレビを見ていた。
「お帰りなさい、リョーマさん」
本物の菜々子さんは超美人で、アニメのイメージ通りだった。
「あら、隣の女の子は?」
優しそうなリョーマ君のお母さんが、私に気付き話しかけてきた。
「おう、家で住み込みとして働いてくれるってよ」
「はい。中山絢那と言います!よろしくお願いします!」
二人に頭を下げて、元気よく挨拶をする。
「でも、おうちの方は何て言ってるの?」
「うちは両親共に海外赴任で、私一人で生活してました。」
「そうなのね。学校はどこに通ってるの?リョーマさんと同じ青学かしら?」
あ、学校の事は考えてなかったや…
詰めが甘いってこういう事ね。
「えっと、まだこちらに来たばかりで高校の編入は手続きしてなくて…」
「じゃあ、ここからも近いし青学の高等部に編入するといいじゃねーか?手続き、母さん手伝ってやるといい。」
「そうね。来月から行けるように手続きしましょうか」
とんとん拍子に話が進み、来月から青学の高等部に編入する事に決まった。
「ありがとうございます!」
さっきよりも深く頭を下げてリョーマ君の家族にお辞儀をした。