第1章 魔法の扉
梨香と分かれ、自宅に着いた。
絢那の両親は共に海外赴任中で、年に2回程しか帰ってこない。
「ただいまー…って言っても誰もいないんだけどね…」
もう寂しさは感じない。
こんな生活は中学2年生から続いているから。
さっと晩御飯を作って、後片付け。
お風呂にも入り、2階の自室に入り一息つくと
毎日の日課であるテニプリの単行本を読み漁る。
「…ふぅ。面白かったー」
ふと梨香から聞いた話を思い出し、
「廃ビル、行ってみようかな…」
仕度をして廃ビルに向かう
その途中で梨香にSNSのナインを送る。
(やっほー!これから廃ビル行ってくるね。)と
既読は付かなかったけど、ま、いいか
廃ビルにつくと階段で7階まで上がる。
「ここが社長室か…くっ……重いぃー」
湿気と埃で凄く重たく感じる。
扉を開けると…