第1章 魔法の扉
こんな噂は知ってる?
町の小さな本屋さんの角を
左に曲がった場所に
廃ビルがあって…7階にある社長室の扉は異世界、つまり二次元に繋がっているんだって。
学校の帰り道で、変な噂を話し始めた幼なじみの 屋島梨香に
どう反応したら良いか分からなくて固まってしまう 中山絢那
絢那には行ってみたい世界があった。
「本当に、行けるなら行ってみたいよー!」
「あぁ、絢那はテニプリ大好きだもんね~」
「試してみようかな」
「でも、只の噂だし…帰って来られなくなったらどうするの?」
「まあ、帰って来れなくなっても何とかなるっしょ!」
呑気だねなんて言われたけど、好きな世界で
大好きな王子様と
もし恋仲になったら…なんて考えたらさ、
噂でも何でもやってみないとね?