第3章 変な人
時計をみた桃先輩が、帰り支度を始めたので、俺もラケットを片付ける。
その間もずっと俺のことを見つめていて、
何か変な人だなって思った。
帰ろうとしない絢那さんに桃先輩が、一緒に帰ろう。家まで送る
って言うとまた慌てだして、必死に何かを隠してるように見えた。
私の家ここの近くだから!またね
と手を振る姿を見て、干渉して欲しくないのかもと思って
桃先輩の自転車の後ろに跨がり、もう、帰ろうと桃先輩に催促した。
ふと後ろを振り返ると、
まだ手を降り続けている絢那さんの事がどうしても気になって
「今日はここまでで良いッス」
と桃先輩に告げると、
「そうかぁ?じゃあ、気をつけて帰れよ~」
後ろ手で手を振る桃先輩を見送り、まだいるかな?何て思いながらコートへと引き返す
…やっぱりまだ居るし。
いくら家が近いからって、こんな時間に女の人が一人コートに残ってるなんて、不用心すぎるんじゃない?
年上だって言っていたけど、本当にそうなのか疑問だ