第2章 こんばんは、異世界。
「ふむ、では改めて
天女さま、忍術学園へようこそ。知っていると思うが、此処は忍者の学校である」
「……?」
軽く咳払いをして改めて挨拶をして下さった、学園長先生の言葉に理解が追いつかず、失礼だとは思うが首を傾げてしまった。
えっ、あれ?待って、この長さん忍術学園って言った??
忍術学園ってあの、某教育番組で放送されてたアニメに登場する学校??
ということは、先ほどの違和感はアニメで観ていたから引っかかりを覚えたってこと??
私が混乱していることを知ってか知らずか、学園長先生はお話を続けられる。
「天女さまが過ごして居った、平和な世とは違い今は戦乱の世……外に出ては危険じゃろう。
そこでじゃ、学園のお手伝いをしてもらう代わりに、この学園内に滞在するというのはどうじゃろう?」
「その、お気遣いは嬉しいのですが…なぜ、私が平成から……先の世から来たと知っていらっしゃるのですか…?」
混乱が残る頭を働かせ、学園長先生のお話しで気になった点を指摘する。
私は事情を一切話していない、にも関わらず学園長先生は私が先の世から来たことを知っている。
そう疑問を口すると、学園長先生は、ほぅと呟き片目を開けこちらの話を即すように見つめてくる。
予想外の反応が返ってきてしまい、なんとか言葉を紡ごうと頭を働かせ考えを纏める。
私を初めて見たときから、はちゃあさん?は天女さまと呼んできた。
それは新野先生や学園長先生も同じ……そして学園長先生の私の事情を知っているような口ぶり…
私でさえ戸惑っている状況で、この流れを当然であるかのように……否、いっそこれは単純作業のようでもある、か?
そこまで考え、私の中である一つの仮説が浮かんだ。
「まるで……私よりも前に、私と同じように先の世から来た方がいらっしゃり、対応に慣れているかのような…」
「ふむ、この短時間でそこまで理解するか…」
考えを口にするうちに、段々と自信がなくなり尻すぼみして話してしまい声を聞き取れて貰えたか不安になった。
しかし、学園長先生から返答がきたことで、聞き取れていたのだと安心する。