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だから天女じゃないって!![RKRN]

第2章 こんばんは、異世界。



「此処です」

「はぁ…」

お互いに無言で歩くこと数分、前方から淡々とした声が聞こえ顔を上げる。
目の前に広がる和風な建物に、思わず気の抜けた声を返してしまったのは不可抗力です。


「…間抜け面してないで、こちらに」

「はぁ……えっ?」


またしても気の抜けた返事をするも、聞こえてきた暴言に驚いて彼を凝視するもどこ吹く風。

気の所為であると信じて、彼の一歩後ろに移動する。
すると彼はこちらを一瞥すると、襖に向かい声をかける。


「五年ろ組、鉢屋三郎です。天女さまをお連れしました」

「うむ、入れ」

「失礼します」

「…失礼致します」


中から入室を許可する声が聞こえ、彼に伴い会釈をして入室する。
何となく、威圧的な雰囲気を感じ取りできるなら入りたくはないのだけど…。


「うむッ!?天女さま、そのお姿はいったい…?」

「……?」


問いかけられた意図が分からず首をかしげ、ここに連れてきた彼を見上げる

すると、彼は軽く溜息を吐くと面倒そうに口を開いた


「天女さまはここに来るまでの道のりでお転びになり、この様な姿に…
まさか血みどろであるとは、私も気づいていませんでした」

「……見た目ほど痛くないですので、お気になさらないでください」


先程できたばかりの傷を見てみると
両手からは血が出ており、両足からも血が溢れていた。
特に左手は皮が剥けており、左足は多少抉れている。

軽く両手を動かし、両足も同じように動かしてみるが大した痛みは感じていないことを伝えておく。


「う、む…いや、しかしのぅ……新野先生、天女さまの手当てを」


そうおかっぱのおじいさんが声を掛けると何処からともなく、一人の男性が出てこられた。


「はい、失礼しますね天女さま。
そうそう、鉢屋くんも天女さまも座ってください。」

「はい」

「…お願いします」


突然現れた男性に言われるがまま、腰を降ろし傷ができた手を差し出す。

不法侵入者手当てしていいんですか?と、頭をよぎった疑問を消し去り
新野、先生?に怪我の手当をお願いすることに…。

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