• テキストサイズ

【MHA】わたしのヒーロー。【ヒロアカ】

第14章 転入試験





「え、個性の使い方?」

「うん。」


あれから1週間。夏休み1日目、たまたま休暇をもらっていた母に個性の使い方を教わろうと話を持ちかける。
わたしの個性、【瞬間移動】は母から受け継いだ個性だ。それに、お母さんは個性の研究もしていて、個性に関しての知識は人一倍ある。わたしの個性について聞くには、お母さんが一番適任だと思った。


「そうね…って言ってもお母さん、あんたより個性弱いし…そんな大したこと教えられないかもよ?」

「それでもいいの、なんでもいいから、一つでも出来ることを増やしたい。」


お母さんはううん、と首を捻った後黙り込む。折角の休みにこんなことをお願いして申し訳ないとは思うが、少しでも強くなって、お母さんの心労を減らしてあげたい、もう心配なんかさせたくないという気持ちの方が大きかった。


「まあ…そうね。ヒーロー志望だもんね。いいよ、お母さんの知ってること全部教えてあげる。」

「…!ありがとう…!」


お母さんは【瞬間移動】を含む、空間系の個性に関する研究結果の論文をわたしに貸してくれた。一応目を通す…が、難しい言葉ばかりで3割くらいしか理解できない。それでも必死に文章を噛み砕いて、頭に叩き込む。


雄英の転入試験まであと4日。それまでに、少しでもこの不安定な個性を何とかしたい。たまたまできたからOKじゃない、いつでも何でもできるようにならないと。



わたしの瞬間移動に必要なのは、精神の安定と集中力。身体と違って、心を鍛えるというのは至極難しいと母は言った。とにかく繰り返し個性を使って、集中できる時間を伸ばしていく。4日でどこまでできるか分からないけど、何もしないよりはマシだ。




お母さんの大学の訓練部屋を借りて、ひたすら個性を使う練習をした。
寸鉄を数本用意して、的を射抜くように転送する。時にはヒーロー科の大学生を相手に対人訓練もした。



転入試験まで、あと2日。
別に雄英に行くことに拘ってるわけじゃない。でもあの短期合宿で、わたしは確実に一歩を踏み出した。
強くなるためには、雄英に行くのが一番近道で、確実だと思った。




お父さん、見ててね。
わたしきっと、強いヒーローになるから。




/ 96ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp