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【MHA】わたしのヒーロー。【ヒロアカ】

第9章 迷い











陽の光に当てられて随分輝いて見えたあいつに、俺は口付けた。


あの日から、悶々とあいつのことばかり考える。決して嫌がってはいなかったみてえだが、戸惑いに潤んだ瞳が忘れられない。

…やっぱこういうのって、付き合う前にしちゃ、まずかったか…?


その件も込みで、転入の件についても、あいつに話したいことがあったから、ここに来た。…のだが。


「…なんだあの男。」


蒼井とやけに親しそうに歩いてる男。ヒーロー科のやつか?あんな奴合宿にいたっけか。
その男は俺に気付くなり何なり、これ見よがしに蒼井の肩を抱いた。


なんだ、あいつ。蒼井と付き合ってんのか?その割には、俺の目には蒼井は困ってるように見えた。何より、爆豪じゃねえが、ただ単純にあいつが気に入らねえ。


「アンタ、雄英の奴だよな?こいつに付きまとうのやめてくんねーか。こいつ、俺と付き合ってっから。」

「は!?なにそれ初耳ですけど!?」


……やっぱりだ。いいか蒼井、お前は誰にでも無防備だからこうなる。お前の無防備さに漬け込んでおいて何だが、そこは直すべきだと思う。

校門から背中を離し、ゆっくり蒼井に近付く。
蒼井の肩を引き、男から引き離してぽすりと腕の中に収めてしまう。


「と、轟く…!」

「嫌がってるだろ。」

「…ッチ、親の七光りが!」



ぴくり、眉を顰める。
No.2の息子だ、そりゃ言われ慣れてるが、こいつに言われては腹が立つというものだ。蒼井が居なけりゃ灰にしてやってた。



言うだけ言って男は走り去っていった。小せえ男だ。
ふと腕の中の蒼井を見ると、何とも言えない微妙な顔をしていた。なんだその顔。







 
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