第4章 Secret feeling 【白石蔵ノ介】
『…こっちに帰ってきた時に会えへん?』
私がそう伝えると電話越しでも彼が驚いた様な気がした。
私の言葉に対して彼は『ええの?』と呟くように言うた後に『俺は会えたら嬉しいわ』と告げられて、私は安堵したのだ。
あの時の私は何故衝動的に彼に会いたいと思ったのかずっと分からないでいた。
きっと私は、彼の事をもうあの時には好きになっとったのだ。
そうや…もうあの頃はテニス部を覗きに行って忍足くんを見ても昔のような気持ちを抱いておらんかった。
何で今指摘されるまで気付かへんのかったのやろうか?
自分の恋心を自覚すると今までの私の彼に対する劣等感とかそういった感情を抱いてしまっとった事にも全てパズルのピースが一致していく様に綺麗に当てはまっていく。
だからこそ、私は彼にちゃんと告げなければいけへんと思った。
「……私、ちゃんと気持ちを白石くんに伝えるわ」
私がそう言うと【夢主友名前】ちゃんは嬉しそうに笑ってくれた。
私がウジウジと悩んでそのままにしてしもとった問題を彼女が気付かせてくれた。
素敵な友人を持てて幸せだなと思いながら私は自分の前に置かれとった注文したケーキを口に運び堪能した。
もし白石くんが甘い物が平気なら今度一緒に、ここに来たいなと思いながら美味しいケーキを堪能したのやった。
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