第4章 Secret feeling 【白石蔵ノ介】
「私は【名前】がええなら別に今のままでもええと思う。せやけどな、やっぱり周りの皆は【名前】が白石くんと付き合おうてると思っとるよ」
【夢主友名前】ちゃんの言葉に他の人達から見て私と白石くんの関係がそう見えとる事がよく分かることが出来た。
多分そういう目で見られとるとは思っとった。
最初の頃にちょっとした嫌がらせがあったからや。
せやけど、あれも直ぐに無くなってしもたので誤解が解けたのかと思っとった。
せやけど、そうでは無かった。と彼女の言葉で私は真実を知った。
白石くんと付き合っとるって思われる事自体が嫌なわけではあらへん。
ただ私が現状維持ばかりで何もしておらん臆病者だという事だけがズルいと思っただけやった。
私がそないな事を考えながら俯いとると、【夢主友名前】ちゃんが私を諭す様に言葉を紡いだ。
「【名前】さ、白石くんと謙也の事を目を瞑って思い出してみて」
そう言われて私は自然と瞳を閉じた。
そして2人の顔を思い浮かべてみる。
明るくて元気な笑顔をよくしとる忍足くんと、私に優しく微笑んでくれる白石くん。
2人を思い浮かべて見てから私は『思い出したよ』と返事をする。
その声を聞いて、【夢主友名前】ちゃんが静かにこう告げた。
「その2人に今いっぺんに好きだって言われたらどう思う?」
その言葉に私は想像力を働かせてみる。
今『好き』と告げられて私がドキドキする人……。
それは――。
「今、凄く胸が高鳴った方が【名前】の好きな人なんやないの?」
「……ええのかな。私……こんな不誠実やないかな……」
私の言葉に対して、【夢主友名前】ちゃんは私が誰を思い浮かべたのか直ぐ察しがついたのだろう。
私に対して微笑んでから彼女は優しく私に告げた。