第6章 ◆湯浴み絡み ★☆☆☆☆
潤んだ瞳で覗きこんでくる主に、長谷部は腰を引きながら後退りをした。彼女はその距離を膝で埋めてくる。
こうして迫られると、まだ何もしていないのに彼女に奉仕をされているように錯覚し、ゴクリと喉が鳴った。
「ま、まさか…主にもしそんなことをされたら…おそらく俺は正気を失うほどに気持ち良くなると思います。…しかし、主は不快に感じるはずです。俺に幻滅するかもしれません。…ご存知ですか? 男はここから体液が出ます。特に、絶頂に達するとかなりの量が。……主のお口に、そんなものは入れられません」
長谷部は息を整えながら、丁寧に説明をした。
頭の中では考えがせめぎあっている。
彼女が自身を口に含んでくれる、そんなことは天地がひっくり返ってもないと思っていたのに、目の前に提示されている。
想像するだけで熱が集まっていく。理性に反し、どうしても体は期待に反応を示してしまう。
しかし、頭ではあり得ないと言い聞かせていた。
想像するものの、彼の中で、とてもそれは目の前の彼女にさせていい内容ではなかったのだ。