第6章 ◆湯浴み絡み ★☆☆☆☆
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入浴と夕食も終わり、本丸は就寝時刻となった。
主は浴衣に着替え、布団を敷く。
長谷部とは何度も触れ合ってきたが、今夜が最後になるかもしれないという思いからか、彼女はいつもより念入りに髪や肌を整えた。
障子にぼんやりと、待ち人の影が写る。
「長谷部さん。どうぞ」
「…失礼します」
一礼し、長谷部が部屋へ入った。
いつだったか山姥切がここへ来てしまったことを受け、そのようなことにならないよう、ここまでの廊下には『立入禁止』の札を貼っている。
そこを越えてこれるのは長谷部だけなのだ。
彼が畳に座った途端に、こんのすけの小さく丸い影が障子に写り、主へ縦折りの紙が差し入れられた。
「ありがとう」
それを受け取り、長谷部へ。
長谷部は主が隣に座ったのを待ってから、畳まれた通達を開いた。
『五夜目
審神者は近侍に口淫し、絶頂を与えること。近侍から審神者へは任意とする。
なお、過去の手順を行うことは禁止とし、口淫のみ実践してよい』