第6章 ◆湯浴み絡み ★☆☆☆☆
「…あの、長谷部さん。これからの夜伽のこと、どう思いますか? ……今夜が最後かもしれないですよね」
「最後? なぜです?」
「だって、夜伽というものはこれ以上何ができるのか思い付きません。もうたくさん慣らしてもらったし…後はきっと、体を繋げるだけなんじゃないかと思うんです。私、今夜そうなっても頑張ります。どんな感じなのか想像もつかないですが、痛くても我慢します」
「主…」
頑張るというポーズをして、長谷部さんを見た。
最後になるなんて寂しいな。本当はもっと触れ合いたい。
「最後になるかどうかは、まだ分かりませんよ、主。夜伽というのは…その、奥深いものですから。やろうと思えば、他にもすることはいくらでもありますし…」
「え?」
「仮に最後になったとしても、俺は主を傷付けることは絶対にしません。時間をかけてでも気持ち良くして差し上げます」
「長谷部さん……」
優しい…。
私、長谷部さんを好きになって良かった。
気持ちが伝わったわけではないし、こんな形で体を繋げることになるのは予想外だったけど、私の初めてを長谷部さんに貰ってもらえるなんて。
こんなに幸せなことはきっとない。
一生の思い出にして、大事に覚えておかなきゃ…。