第6章 ◆湯浴み絡み ★☆☆☆☆
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演練が終わった。
相手本丸と挨拶を交わし、今日の山場は無事終了となる。
予想以上に相手は強かったが、力のあるメンバーを揃えたおかげで勝利することができた。
皆さんの鍛練と、長谷部さんの人選のおかげ。
「皆さんお疲れさまでした。ゆっくり休んでくださいね」
各自の部屋へと戻る分かれ道。そこで私は改めて皆にお礼を言った。
「うん。主もお疲れ様」
燭台切さんがそう返してくれる。
「主も風邪をひかぬようにな」
三日月さんも。
「……」
大倶利伽羅さんは相変わらず。
「……なあ、主。ちょっと聞きたいんだが」
鶴丸さん?
「はい、何でしょうか」
「今日の主と長谷部なんだが……やけに距離が近くないか?」
「えっ」
「なっ」
私は思わず、腕が触れるほど近くにいた長谷部さんの顔を見た。長谷部さんの顔も赤くなり、私から一歩距離をとった。
二人ともまったく同じ反応をしたため、私たちの間の距離は一気に開く。
「おい! 主に失礼だろう! 俺はただ近侍として…」
「そうかあ? なんっかここ最近妙に距離が近くなったと思うんだがなぁ。俺の勘違いか?」
「そ、そうです。勘違いですっ」
鶴丸さんったら…! 皆の前でそんな恥ずかしいこと言わないでほしい。
他の三人も、じっとこちらを見ている。三日月さんなんて笑ってるし。
…たしかに、思い返せば今日は長谷部さんと距離が近かったかも。
以前の私なら、こんなに近くに長谷部さんがいたら照れて赤くなっていただろう。…でも、もう何回も口付けをしたし、抱き合ったり、触れあったりしてきたから…。
そんなことを続けてきたから、私たち、無意識に距離が近くなっていたんだ。