第6章 ◆湯浴み絡み ★☆☆☆☆
ぞろぞろと私の周りに集まっている皆は、緊張感のないまま演練の場へと歩き出した。
自然に長谷部さんが隣を歩いてくれる。今日の演練も相手をよく分析して人選を手助けしてくれたのだ。
「長谷部さん。お疲れではないですか?」
遠征から帰ったばかりの長谷部さん。どうにか演練へ出ることはお休みにしてもらったが、私とともに司令塔として、結局手伝ってくれている。
今夜も私との夜伽が入っているし…。体を休める暇はあるのかな…。
「まさか。疲れてなどいません。主のためにできることは何でもしますよ」
「長谷部さん…」
「……今夜こそ主を満足させて差し上げますから」
……へっ!?
耳元でそう囁かれ、すぐに長谷部さんを見た。彼は少しいたずらな笑顔を向けている。
満足って…満足って…もうっ!
長谷部さんってば、私のことからかってるんだ!
「長谷部さんっ…」
「切ない思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。あの晩は、初めて主命に逆らいました」
「もうっ、一昨日のことは忘れてくださいっ…恥ずかしいです…」
「夜まで待てますか?」
「待てます!」
肩が触れるほどの距離で、長谷部さんとコソコソ言い合いをした。
誰にも秘密。それが少しドキドキする。