第6章 ◆湯浴み絡み ★☆☆☆☆
しっかりと袴を着付け、気を引き締めた。
部屋の外では長谷部さん以外の皆も準備を済ませて集まっているらしく、賑やかな声が聞こえている。
待たせては悪いと思い、急いで戸を開けた。
「お待たせしました」
そこには長谷部さんの他に、今日の演練で戦っていただく鶴丸さん、燭台切さん、大倶利伽羅さんに三日月さんがすでに待機していた。
「よっ、主!」
まずは戸の付近にいた鶴丸さんがすぐに立ち上がり、私の肩に絡む。いつものことだ。
「鶴丸さん。おはようございます」
「いいねえ、主の袴姿久しぶりだ」
「演練のときは気合いを入れないといけませんからね。特に、今日のお相手の本丸は強いと聞いていますし」
「主、俺たちを舐めてもらっちゃあ困るな」
鶴丸さんはいたずらに笑いながら、私の頭をグリグリとなで回してくる。
「おい。主に気安く触るな」
すると、すぐに長谷部さんがその手を叩き落とし、鶴丸さんを睨んだ。
「へいへい」
鶴丸さんは離れ、代わりに長谷部さんがその場所を陣取る。
いつもこうしてくれるけど、主といっても私は偉いわけじゃないし、そんなに特別扱いしてくれなくてもいいんだけどなぁ。
……でも、いつも私のこと守ろうとしてくれてるのは、やっぱり嬉しい。