第5章 ◆涙と語らい ★★★☆☆
激しく攻められて、ついに卑猥な水音が規則的に鳴り出した。
音と同じリズムで、快感の波も押し寄せてくる。
「あっ、あっ、待って、ああっ…」
経験したことのない感覚に、もうされるがままになるしかなかった。異物感があるのに激しくされるとなぜか快感がどんどん増していく。
急に長谷部さんの唇が、私の唇を押さえつけるように塞いできた。
「んっ、んんっ…!」
ちょっぴり乱暴な口付け。体は小刻みに揺れているのに、杭を打たれたように唇を押し付けられている。
舌も入ってきて、水音は下と上とで二つに増えた。
「んん、んっ、ふぁっ…長谷、部、さ…」
「はぁっ…主っ…」
気持ちいい…格好いいよぅ、長谷部さん…。
幸せ…。
………あれ!?
「んっ、んんっ…長谷部さん、あのっ……なんか私っ…変な感じがしてきて…」
「……え?」
唇から逃れて、どうにか彼に訴えた。
なんか、変かも!
気持ち良すぎて、登り詰めてしまいそうな感覚がする!
このままじゃおかしくなりそう!
すると、長谷部さんは急に指を止めた。
「……はぁ、はぁ……あ、れ…? 長谷部さん?」
止められると、一気に物足りなくなった。体がおかしい。もっとしてほしい。さっきのまま攻められていれば、何かが起きた気がする。
「主、いきそうでしたか?」
「……え? “いく”……?」
「気持ち良さが限界まで到達して、体が絶頂を迎えることです」
「はいっ! まさにそんな感じでした!…長谷部さん、あの、できれば、このままいきたいです…」
「……だめですよ」