第5章 ◆涙と語らい ★★★☆☆
「あ…あ…長谷部さん…」
彼に手を伸ばすと、それを優しく握って肩に掛け、続いて頭を撫でてくれた。
「大丈夫です、落ち着いて…。主、俺を見て。息を吐いて」
「はいっ……ふー…ふー…」
力が抜けたところにさらに小刻みに攻められ、また息をすることを忘れそうになる。長谷部さんはそんな私に、息をするよう何度も囁いてくれた。
「主、ほら、頑張って」
「んっ、んっ……ふー…ふー…」
「上手ですね。…可愛らしいです…」
「えっ!?」
「あ、いえっ…すみません、とても素直なので、つい…」
確かにあまりに素直すぎたかもしれない。可愛らしいなんて言われちゃって、恥ずかしいな…。
でも、長谷部さんの言うことだもん、素直に聞いちゃうよ…。
「だって…んんっ……長谷部さんの言うこと聞いていれば、安心できるから……もっと色々、教えてくださいっ……何でも言うこと聞きます…」
「主っ…」
すると指の刺激が増した。今までより奥を攻められる。
ああ、長谷部さんって、こんなに指が長いんだ。目では見ていたけれど、こんな形で感じたのは初めて。
「いけませんよ、主っ…俺に、不用意にそんなことを言っては」
「あっ、あっ…長谷部さんっ……あのっ、いま、すごく、気持ちいいです……」
「………貴女という人は、本当にっ…俺をどうするつもりですか…!」