第5章 ◆涙と語らい ★★★☆☆
今夜は使わないと思っていた一組の布団に口付けをしたままゆっくりと倒されていき、支えられた頭が枕に落ちた。
彼の長い指が、乱れた私の髪を撫でて整えてくれる。
「…なかなか慣れませんね、主は」
少し笑って、長谷部さんはそう言った。
格好いい…
「長谷部さんは…慣れたんですか?」
「…このような主の姿にはまだ慣れませんが、分かったこともあります」
「分かったこと?………あっ、長谷部さんっ」
長谷部さんの手は浴衣の中に入ってきて、胸の付け根を優しく揉みしだいている。
まるでマッサージをしているみたいに。
「主に気持ち良く感じてもらえる場所は、なんとなく」
「そんな……ぁ……」
指で胸の先を刺激され、思わず身をよじった。
よじった先でもちょうど良く長谷部さんが待ち構えていて、彼の唇は私の胸先を大きく咥えこんだ。
「あっ……あ、だめぇ……」
気持ち良すぎて、胸に埋められている長谷部さんの頭を思いきり抱え込むと、愛撫はよけいに激しさを増していく。
見えないからどうなっているのかよく分からないけど、舌で転がされている快感が胸先に走っている。
「あぁ…あっ…長谷部さぁん…」
「主は敏感ですね」
含んでいる声が、胸元で響く。それとともに、ちゅぱちゅぱという音も鳴っている。
赤ちゃんに母乳をあげているかのようだが、吸っているのは間違いなく、私の想い人の長谷部さんなのだ。
いけないことをしている構図に高揚していくのが分かる。吸われるたびに、足の間にキュンキュンと響く。