第5章 ◆涙と語らい ★★★☆☆
「夜伽のときも、長谷部さんの触れ方は、とても優しくて…。私、いつも心地よくてつい甘えてしまうのですが、迷惑ではないですか?」
「まさか! そのように言っていただけるなんて身に余る光栄です…」
「よかった。長谷部さんのおかげで、夜伽の効果も出ているんですよ。山姥切さんの手当てをしていたとき、効果を実感できました。傷の治りが早くなっていたんです」
山姥切? …もしかして…
「主の言っていた『良いこと』とは、もしやそのことですか?」
「はい。私の勘違いだったら申し訳なくてお話しなかったのですが、きっと勘違いではありません。夜伽の効果で、審神者としての力が強まっています。長谷部さんに協力していただいたことだったので、私、嬉しくて…」
あれは、俺のことだったのか……
なのに俺は勝手に勘違いをして、醜い嫉妬をしていた。