第5章 ◆涙と語らい ★★★☆☆
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上手くできたかな…。
今日一日、なるべく長谷部さんと距離をとってみた。昨夜、自分が審神者と近侍の以上のものを彼に無意識に求めてしまっているんじゃないかと、指摘されてやっと気づいた。
冷静にならなきゃ。長谷部さんは近侍。私は任務以外のことで、彼を頼ってはいけない。
なるべく甘えないように、編成の相談が終わったら買い物は鶴丸さんと一緒に行ってもらった。
雑務もいつもは長谷部さんが手伝ってくれるけど、今日は全部自分でやったし…。
おかげでほとんど話す機会はなかった。
でも、今までが頼りすぎだったのだと思う。
だから夜伽のときも、身を任せて甘えてしまったんだ。毎回、緊張はするんだけど、長谷部さんが優しくて、それが心地よくて、つい…。
たった一日話せなかっただけで寂しい。
本当はすぐに甘えたくなるところをどうにか我慢して、なんとか一日を乗り切った。
私はつらかったけど、その分きっと、長谷部さんはゆっくりできたよね。