第5章 ◆涙と語らい ★★★☆☆
「主。どうかこの長谷部に罰をお与え下さい。どんなことでも構いません。主の気が済むまで、それでどうかまた近侍として側においていただけないでしょうか」
「罰なんてありませんよ。もちろん、これからも近侍としてお願いします。本当に、大丈夫ですから」
「主…! それでは俺の気がっ…」
「長谷部さん」
主の声が、俺の訴えを遮った。
「私のことは気にしないで下さい。昨夜のことも、もう関係ないですから」
──主?
「あ、の…」
「それで、遠征の話を聞いてもらえますか? また編成について長谷部さんの意見を聞きたいです。この間は助言をいただいてとても上手くいったので」
「ええ…それは、もう、何でもお答え致します」
「ありがとうございます!」
主…。
『関係ないですから』
線引きをされたように感じるのは、俺の勘違いでしょうか?