第4章 ◆愛撫の快感 ★★★☆☆
不思議に思って部屋にいた長谷部さんを振り返ると、なぜかとても怖い顔をしていた。
「長谷部さん…?」
山姥切さんのことを睨んでいるように見える。
どうして…?
変な勘違いをされたから?
…それとも私のことも、何か怒ってる…?
「…ま、主が大丈夫ならいい。俺は戻るが、あとで話は聞かせてもらうからな」
やっと踵を返した山姥切さんを、こんのすけさんも慌て顔で「そうです戻ってください」と促す。
そしてまた、障子は閉められた。再び、長谷部さんと二人きり。
向き合うと、やっぱり長谷部さんは怒っている様子だ。
「…主。主は…山姥切と、どういう関係なのですか」
長谷部さんの声は少し掠れていて、切なかった。
「山姥切さんと…? あの、ご存知のとおり、私の初期刀となってくれた方です。一緒にいる期間が長かったので、こうして私を心配しすぎるところがあるというか…」
「たかが初期刀のくせに、主に対して何の権限があるのでしょう。…俺は近侍です。主のことを心配するのも、夜分にお側にいることも、俺の役目です」
…長谷部さん?
「わ、わかっています。いつも感謝していますよ。長谷部さん、どうしたのですか…? 私は何か、気に障ることをしてしまったんでしょうか…」
どうしよう。
私とのことを勘違いされて、怒ってるんだ。だからこの場にいるのは「近侍だから」だと改めて忠告してる。
初期刀として心配してくれる山姥切さんとは違って、近侍の自分はそれが役目だから、だから側にいるだけだって…