第4章 ◆愛撫の快感 ★★★☆☆
ひとしきり攻め立てた後で、一度指を止めた。
そうだ、絶頂を与えてはならないのだ。注意深く進めなければ。
「はぁ…はぁ…」
くたりと身を任せてくれた主を優しく抱き寄せた。
俺は畳に腰をおろし、組んだ自分の脚の上に彼女を横向きに乗せた。
彼女の肩と、太ももの間。そこに手を添えて安定させる。
「はぁ…はぁ…長谷部さん…どうしてこんなに、気持ち良いことばかりして下さるんですか…?」
先ほどの痛みは指での愛撫のおかげで消え去ったらしい。名誉な言葉をいただき、さらに煽られていく。
「主は俺の大切なお方ですから…。俺の手で気持ち良くなっていただきたいんです。それに、こうして愛撫で慣れていただかなくては、主のここに指を入れることなどできませんから」
そっとまた指を当てた。痛いかもしれないから、挿入はしない。
やはり彼女はまだ怖いのか、ピクリと体を揺らした。
「……主。大丈夫です。無理矢理入れたりなどしませんよ」
「は、はい…。すみません、私、どうして痛いんでしょう…。先ほどのように触れていただくのは、とても気持ち良いのに……」
たまらず、言ったとおり「先ほど」のようにまたグリグリと指の腹で触れた。
「あっ…ん…あ、あの、違うんです、ねだったわけではなくてっ……」
「本当ですか? こうしてほしい、というように聞こえましたが……止めたほうがいいでしょうか?」
「あ、あ……それ、はっ……」
「どうなんです? 主。止めますか?」
「…………や、やめないで、下さいっ…もう少し……」
ああ、もうダメだ。早く俺のものにしたい。
ここまでさせてもらえるのに、まだ俺のものではないなんて。